2005.10.06
反日運動が盛り上がった辺りから、中国のことに興味を持つようになりました。時事問題を扱ったblogや書籍を見つけては目を通すようにしているんですが、これから起きる幾つかの可能性の一つとして北京オリンピックを境にした中国バブルの崩壊――即ち現体制の崩壊があったとしても、あの国は共産党であり続けるような気がしています。いや、寧ろ今よりも「資本主義」に対して風当たりの強い国になるんじゃないかな…。
現在、中国の地方では所得格差を理由とした暴動が数多く起きていると言われていますが、書籍やネットから拾った情報によればそれらは所得格差と一言で言うにはあまりにも酷い問題に端を発しています。
「資本主義」が中国に伝わったことにより、当然地方にも資本の流入、つまり安価な労働力を当て込んだ大規模な工業地域の建設がありました。けれどそれは、地方の農民から権力で土地を取り上げての建設であり、抗議は軍隊の投入により鎮圧されたと言います。
そしてその工場では非常な低賃金で労働者を扱い、賃金の未払いも珍しくありません。なおかつ、公害に関して殆ど無頓着なため、工場での作業者や、周囲に住むかつての農民に対し、カドミウムや水銀の垂れ流し等で、とにかく飲める水が無いなど、恐ろしい被害を与えていると言われます。
こういった工場の収益は労働者や周辺住民に還元されるのでしょうか。答えは否です。殆ど全てが土地の確保や、暴動から工場を守るという便宜を図ってくれた地方官僚と、資本家に流れていってしまいます。地域住民、労働者ともに一方的に搾取されるだけです。
土地を奪われた農民、低賃金で働かされる労働者、大気、水、そして土地までも汚染された周辺の住民が、自分たちの犠牲の上で裕福になる官僚や資本家に対して暴動を起こす――以前は完璧な言論統制から一切報道されなかったのに、最近では大陸紙にも載るようになったみたいですね。
だからこそ心配なのは「全ては資本主義のせいだ」とされることなんですが…なんかこの状況、かつてのイスラム諸国や東欧諸国で起きた事と似ているような気がします。そしてそれらの国々と同じ道を辿るとするならば、やはり「資本主義」を排除した新しい体制作りが起きるんじゃないかな…。
中国は経済力、軍事力ともに無関心でいるにはあまりにも大きな国に成長しています。隣国と言えば言えなくもないし。仲良くするにせよ喧嘩するにせよ、動向や内情には関心持っていた方が良さそうです。私が読んだ本やblogなどが全て嘘を出任せと捏造なら、何も心配することは無いかもしれませんけれど。
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