2004.7.25
巨大な戦艦の砲塔がゆっくりと私に向いた。――刹那、脊髄の奥底の生存本能が操縦桿をひっぱたくように薙ぐ。私がいたその位置を強烈な白光が突き抜けて行く。VIPERの外装が音を立てて持っていかれるのがわかる。至近距離を敵艦の主砲が抜けたのだ。直撃は免れたものの、VIPERのダメージはもう限界に来ている。もう、後がない。戦闘に次ぐ戦闘で私自身の体力も限界だった。霞む視界も、震える腕も、もう後数分もすれば私の言うことを全く聞かなくなるだろう。鼻から垂れてくる錆びた鉄の味が気持ち悪い。喉の奥から込み上げてくる吐き気は、真っ赤な吐瀉物となってパイロットシートを汚していく。耳鳴りと勘違いしそうな狂った警報は、もはや浮いているのが不思議な程に破壊されたこの機体にとって何の意味も持たない。
ゆっくりと、ゆっくりと照準を合わせる。自分の物とは思えないほどに、重く、反応しない手足を叱咤する。マルチプルポッドが同期をとったことを示す信号を送ってくる。紅く鈍く光る相手のコア。彼らにとっての眼。そして、四方からVIPERに向けてありとあらゆる殺戮兵器が狙いを定めたことを示す警告音。
神などこの世界にはいない。信じたことのないその存在を呪った。呪って、そして祈った。当たって。当てて。砕け散れ。吹き飛べ――!
わかったのは、私がレーザー照射を開始したその瞬間、VIPERのキャノピーが吹き飛んだこと。緋色の爆炎が渦巻く様が一瞬だけ見えた。綺麗だった。誰かが自分の名を呼んだ気がした。死すら意識することなく、私の意識は宇宙へと帰って行くのだろう。
母様…。
シューティングゲームが実は大好きで、先日発売されたグラディウスVに熱中しています。あまり上手ではありませんけど。たった一機で絶望の只中から、全人類の命運を賭けて飛び立つ反逆者。説明書に小さく描かれるその申し訳程度のストーリーは、逆に想像を掻き立てるのです。
どんな人がパイロットなんだろう。家族は何と言って彼女を送り出したんだろう。出立前夜、恋人とはどんな会話を交わしたんだろう。彼はどんな思いで、空を見上げて、そして運命の日を迎えたんだろう…なんか、考えてるだけで悲しくなってくるのだけれど、私はいつも彼らを生還させることができません。ごめんよ。
ゲーム、昔から好きでした。ゲームセンターにもよく出かけて遊んでました。ガンシューティングとかいいですね。
格闘ゲームは?と聞かれることもあるのですが…。やってみたかったんですけどね。昔、ゲーセンでバーチャファイターを遊んでいたら、どうも「女が遊んでいる」ことを気に入らない人がいたみたいで、飲みかけの缶ジュースを投げつけられたことがあってからやれなくなりました。
その時は怒ったりとかの前に、兎に角怖くって。今考えて見れば100%向こうが悪いのに、何で逃げ出してしまったんだろうと思いますが、何も考えられなくてトイレで汚れたところを必死に濯いで急いで帰って来てしまいました。お店の人とかに文句言うとか、いろいろ方法はあったと思うんだけど、今また同じことが起きたらと考えると、やっぱり冷静に対処出来る自信がありません。
トラウマになってるわけじゃないと思うけど、そんな理由から格闘ゲームは敬遠してしまいます。いいんです。シューティング愛してますから。
グラディウスVはまだ全然先に進めていないのですが、演出も背景スクロールも的の攻撃ももう全てが見てて楽しいです。BGMもクラシックとテクノが融合したスタイルで素敵でもうこの音楽ずっと聴いていたいよう…。
なので、私は超時空戦闘機「VIC VIPER」に乗り込み、奇襲をうけたとされる衛星軌道上の宇宙ステーションに向かおうと思います。
敬礼!
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